「0800」で始まる電話番号は、発信者は通話料を負担しない「着信課金電話番号(フリーダイヤル)」の一種で、0120と同様に企業のカスタマーセンターや問い合わせ窓口などに使われています。
企業が使う正規の番号である一方、悪質な営業電話などで利用されるケースもあるため注意が必要です。
電力・ガス会社を装った切り替え詐欺のトーク例
最も多い手口の一つが、大手電力会社やガス会社、あるいはその関連会社を名乗るものです。「電力自由化に伴い、電気料金が安くなるプランのご案内です」といったトークで切り出し、現在の契約状況や家族構成などを「巧みに聞き出そうとするケースがあります。
特に注意が必要なのは、「検針票に書かれているお客様番号と供給地点特定番号を教えてください」という要求です。この2つの情報があれば、本人の同意がなくても電力会社の契約を勝手に切り替えられてしまう可能性があります。一度切り替えてしまうと、元に戻すのに煩雑な手続きが必要になったり、解約金を請求されたりするトラブルに発展しかねません。
自動音声(ロボコール)による架空請求
「NTTファイナンスです。未納料金がありますので、至急ご連絡ください」「〇〇(大手通販サイト)の利用料金が未払いです」といった自動音声ガイダンスが流れる手口です。身に覚えのない請求で相手を動揺させ、メッセージに従って指定の番号に電話をかけさせようとします。折り返した先では、巧みな話術で個人情報を聞き出されたり、電子マネーの購入を指示されたりして、金銭的な被害に遭うケースが報告されています。
「屋根の修理セールス」の例もある。受話すると、自動音声が「住んでいる住居の建築年数」「リフォームしたことはあるか?」「火災保険で屋根の修理ができることを知っているか」「興味はあるか?」などと質問してくる。これに「ある」と答えると、悪徳リフォーム業者のリストに掲載され、その後は人が電話をかけてくることになる。あるいは、複数回のロボコールで在宅時間をチェックし、セールスマンの訪問時間を調整するという手口もあります。
「二次被害」のリスク
たとえその場で被害に遭わなくても、知らない「0800」からの電話に出てしまうこと自体にリスクが潜んでいます。迷惑電話業者は、無作為に生成した番号リストに電話をかけています。一度でも応答してしまうと、その番号が「現在使われている、応答する可能性のある番号」として認識され、業者の間で売買される「有効リスト」に登録されます。その結果、別の業者からも次々と迷惑電話がかかってくるという、負のスパイラルに陥る危険性があります。
スマホの着信拒否
スマホの場合は機種により操作方法が異なりますが、一般的には電話アプリから設定を行うことができます。
アンドロイド(Android)の場合は、
- 通話アプリのメニューキーをタップし、「設定」または「通話設定」を選択する
- 「ブロック中の電話番号」を選択する
- 「不明」をONにする
iPhoneの着信拒否は、「電話」アプリを開き、[履歴]タブから拒否したい相手の「i」アイコンをタップして「この発信者を着信拒否」を選択するか、「設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「着信拒否した連絡先」から、拒否する連絡先を追加します。
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